猫の手借りて、オーストラリア大解剖。

オーストラリアで体験したアッと驚く事、信じられない事実をシェアします!

ビザスポンサー企業の裏取引を提案された話

 

オーストラリアの永住権の取得は年々難しくなっていて、このコロナウイルスパンデミックの発生により移民局の業務停止とビザ発行件数の減少によりほぼ不可能な状態になった。

 

一生オーストラリアに住むなんて事は簡単に決めれる事でもないが、オーストラリア人と同等に働いてみたいという夢を持っていた私は永住権の取得にもチャレンジしていた。

 

オーストラリア永住権の取得にはいろんな方法があるが、簡単に分けてしまうと、自力で取る場合と何年か働いた後に雇用先からのスポンサーを得る方法がある。

 

しかし、何でも縁やコネとか運みたいな物がないと簡単にスポンサーは見つからない。だからまずは自力でビザが取得できるポイント制で少しでも点数を稼げるように努力していくのが最初は懸命と考えていた。そうすれば、英語力と学歴共に同時に付いてくるからもし失敗してもどこでも生き残れるだけの力が付くと思っていたからだ。

 

私の場合、日本で大学に行ってその後数年会社員をしてからオーストラリア留学をしたのでポイント制度においては年齢という面でかなり損する。現地の学歴と職歴数年がないとポイントはつかないが、そもそも大学まで卒業するとその分年をとるし、職歴を付けたらまたそこで年を取る。それに加えて、現在は永住権の申請自体が招待制になっていてこれにはかなり待ち時間がかかると聞いている。最も年齢点が高いのが25~33才の間だがこの時点で申請できるなんて最初から私にとっては不可能に限りなく近い話だった。

 

何とかして職歴と学歴に加え英語の点数、その他もろもろの資格等でポイントを稼ぎながら働く。年齢のタイムリミットが来たら諦めるそのつもりでいた。そこまでやれば後悔ないし、どこでもサバイバルできるそんな自信があったからだ。

 

そんな時に起こったコロナウイルスのパンデミック、本当に色々な事があってここで帰国すべきだとの結論に至った。

 

海外の一時在住者の一番の問題はビザだ。いろいろと事情があってとあるエージェントを訪ねた。私は、自分がこちらで病気した時に日本のエージェントからイジメのような扱いを受けて不信感が強くずっと自分の力だけで長年ビザを更新してきた。だんだん、そこら辺も熟知してきて自分で困らないレベルに来ていたのでずっとエージェントからは離れていた。しかし今回のこの異常事態に伴ってどうしても考えなければいけない無視できない問題が浮上した。知り合いがすごく良いエージェントがあると勧めて来たので、乗り気じゃなかったけれどその場所に足を運んだ。

 

日本人は一人もいないエージェントだったけど担当者も凄く親身になって話を聞いてくれてとても良い人だった。だから、私も打ち解けていままでどういう気持ちでここにいたのかとか自分の思いとかを話した。それで私は今このタイミングで永住権について諦めるのが自分の人生において正しいし後悔しない方法だと思うという事も話した。

 

今までの苦労が走馬灯のように駆け巡って、ちょっと泣きそうになった。

 

そこで、彼女が励ましと提案を行ってきた

 

「あなたのビザに対する分析はかなり正しいよ。今、これ以上苦労する事はちょっと良いか分からないし、帰るのが幸せだったらそれを選んだ方が良いかもね。でも、そんなにも頑張って苦労してきたのに勿体ないという気持ちもある。もし良かったら、ビザのスポンサーになってくれる会社を紹介してあげる事ができるけれどどうかな?

 

えっ!と耳を疑った。

 

そんなにも簡単に

スポンサーになる会社が見つかるの?

 

と驚いた。

 

どういうことなのか尋ねると、彼女はこう続けた。

 

「ただ条件があってスポンサーになるためのお金と、その会社で働くための決められたお金を払っていけばスポンサーになるという条件付きになってくる話なんだけどね。そうすれば、あなたも夢の永住権が手に入るし企業も人件費を減らして、、まあ言ってしまえば投資してもらえてWin-Winの関係って訳なのよね!考えてみない!」

 

こんなにサラッと裏の世界が展開されているなんて本当にビックリした。

私には無縁の異世界の話と思っていたからだ!

これは正にビザスポンサー企業の裏取引ではないか!!

これを法律違反と言わずして何というのだろうか!

 

労働としての対価を受け取らずに逆に自分がお金を払う。

労働者以下じゃないかと思った。

 

ブラック企業辞めた時、もうこんな目にあうもんかと思った事を思い出した。

そんな事に加担するためにこんな所に来たんじゃない。

 

自分自身を磨くために来たのにこんな事に関わったら腐りそうだと思った。

 

彼女曰く、そうやって永住権を手に入れて、喜んでいる人が沢山いるとの話だった。

その人たちは本当に今幸せと思っているのだろうか?と尋ねたら、

とても喜んでいて良く感謝の言葉をもらうとの事だった。

 

正直、ゾッとした。

 

そこまでして手に入れる永住権っていったい何なんだろう。

 

たまに苦労もせずにあっという間にスポンサーが決まっている人を見かけるが、ひょっとしたらこういう事なのかな?とかも考えてしまった。

 

私がもしそんな事したら、あの時こういう取引をしたんだ。という事がずっと気になってしまって安心できないし、自分自身と社会に対しての罪悪感が付きまとうだろう。

 

全然、幸せじゃない。私は不幸せな人間になってしまうだろう。

 

ここで私の永住権に対する未練のようなものが完全に消え去った。

今はとても肩の荷が下りて楽になった。

 

自分はどこにいたって好きなように暮らしていく。

場所じゃなくて、自分自身の問題なんだ。

それは今ここじゃない、帰らなきゃと思った。

 

そこでふと頭をよぎった事がある。

 

オーストラリアの永住権はずっと永住できるビザではなく、更新しなければならないという事実。

 

毎年、いろいろと申請内容を突っ込まれて永住権更新を拒否されて帰国せざる負えなくなる人が何人かいるように見受けられる。

 

最近の移民局はかなりいろいろな事に目を光らせているので、こういった不正だってバレる可能性は0ではないと思う。何か、申請時に違和感があれば徹底的に調べられる可能性の方が多い。要は、一度取った永住権を却下される可能性が常にあるとも言える。

 

そうなってくると、自分の身を犠牲にだけしてオーストラリアの不正企業に寄付だけし、悪の方法でオーストラリア経済を支える。

 

Win-Winどころか、負のスパイラルだ。

 

ビザスポンサー企業の裏取引は経済をも脆くさせる悪事だと思う。

 

 

 

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