壊れる公共バス運行スケジュール
私は西オーストラリア州、パースに初めて観光で来たとき感動したことがある。
それは、公共バス、通称キャットバス(猫バス!何だかジブリみたい)が無料でシティーの中を走っていることだ。それに加えてこのバスは時間にもかなり正確だ。私は、海外の公共交通機関は時間にルーズというイメージがあったのでこの正確さにも感心した。
と、言うのもこの猫バスの停留所には表示板があって自分が待っている場所にあと何分でバスが到着するかバッチリ分かるようになっている。それで時間ピッタリに来るなんて、すごい。それにバスとバスが来る間隔もそんなに空いていないから長い時間待たなくてもいい。
あと、郊外にも沢山の路線バスが運行していてこれもほとんど時刻表どうりに来るんです。時間に規則正しい運行をするなんて目から鱗が落ちた!
でも、観光だと何か月もいるわけではないので猫バスと路線バスの運行スケジュールが完全に壊れることがあるなんて長期留学するまでは知る由もなかった。
長い休憩時間
オーストラリアの人達は無理せず働くことを美徳にしている人が多いので、休みを取る事にも躊躇しない人が多い。大体、決められたバスストップがあってそこで5分程度の休憩を取る場合が多い。
しかし、やる気がでなかったりすると決められた休憩場所以外でも休む事がある。運転手が知り合いを見つけてお喋りを始めたこともある。これも話が盛り上がると、休憩時間を何分も伸ばしてしまう事がある。
あと、最も困るのは車体が故障したふりをして休憩する運転手がたまにいる事だ。私は楽しみにしている映画を郊外まで見に行く間の路線バスでこれをやられてしまって、上映時間に間に合うのかどうかヒヤヒヤした事がある。いろいろなパターンがあるが、エンジンが上手くかからないように見せたり、限りなく遅いスピードで運転し出したりする演技もある。こういう人に運悪く当たってしまうと普通だと10分程度かかる所が20、30分かかる事もざらにある。
猫バスが永遠に続きそうな無限ループにハマる
私は便利すぎる猫バスに乗る生活にすっかり慣れていて、すっかり横着になっていた。まさか運行スケジュールが狂う事があるなんて思ってもいなかったから。
ある日、いつもどうり学校に向かうためにバス停に向かった。すっかりと横着になっていた私は大体、学校まで40分ぐらいかかるから50分前にはバス停に向かえばいいやと計算して家を出た。
あと何分でバスが到着するか知らせる表示を見ると到着まで3分と出ている。
よし、順調だなあ~。これで余裕を持って到着できるなあと思っていたのも束の間、
その表示が、目まぐるしい速さで変化し始めた!
こんな風にだ、
3→6→7→2→3
???
3分から数字が上に上がってそして下がりまた3分に戻る、
こういうサイクルが急に繰り返され始めた。困るのは、一旦3分に戻るとちょうど1分くらいの間隔でキープされるから時間どうりにバスが来ると思うとまたこの無限ループに突入するといった感じだ。
それで、結局20分もこの無限ループにハマってしまった。
完全に時が封印された空間、空白の20分の間バスに何が起こっていたのかは分からない。
今思い起こせば、上に書いたような運転手の予期せぬ長い休憩時間が理由なのかな?
この経験から私は、表示板がくるくる回り始めたら目的地まで徒歩で歩くようになった。
歩いている途中に自分が乗るはずだったバスが通り過ぎていくのを見てがっくりする事もあるけれど。
この2つの壊れた公共バス運行スケジュールから分かる事は、オーストラリアでは予定表などがあってもすべてそのとうりに進まないという事が良くあるという事だ。
お客様が命と思うよりも自分が一番心地よくと考える人が多い。
それのどちらが正しいのか、今の私にはもう判断できない。
客の立場に立つならきめ細やかなサービスは大事なのかもしれない。
でも、裏を返せばそれだけ細かい部分に目を行き届かせたりミスのないようにしなければならない。労働環境としてはどうなんだろうと考えてしまうようになった。そうやって個々人が資本主義の奴隷になっていないだろうか?って…
現に、オーストラリアの人はよっぽどセッカチか短気の人でない限りは上のような出来事にグチグチ言ったりクレームを飛ばしたりしない。
あー休憩とってるのか。それとも、何かあったのかな?仕方ないかな?
と言う風に思う人の多い事。
でも、これって凄く楽な事で個々が自分のペースで生きていく事の基本になるような気もする。
何故なら、お互いのペースを認めるととっても楽に生きられるからだ。
たとえば、やる気が起きなくてサボっても誰も怒らない。
疲れたら休む、エネルギーが出たら打ち込む、それってとっても人間らしい…
自分の感覚に素直に生きていく。
それって凄く素晴らしい事で貴重な事なんだ。
こんな先の見えない息苦しい世の中、自分の感情に素直になって生きていく。
それが最も大事な事のような気がしている。
私自身、一度だけの人生だし楽して少しでも幸せに感じていたい。
みんな誰だってきっと心ではそう思っているだろう。
だから私も人が休みたいという欲求を邪魔したくない。
もう予定どうりにちょっとの事が進まなくたって気にしない。
今は少しも、壊れる公共バスのスケジュールなんて気にならない人間になった。
オーストラリアの人達には感謝している。
私は日本に帰っても猫のように気ままに正直に生きていく方法を探す、
そして見つけ出してやる!
そう思っている、今日この頃…
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