オーストラリアの医療カルテ開示方法
私は以前"信用できない重症患者数”というタイトルの記事で西オーストラリア州でインフルエンザにかかりその後、肺炎そして神経への炎症反応(サイトカインストーム)の治療で入院経験がある事を書いた。
最近、帰国のために荷物を断捨離していて、この時の自分の診断書を見つけた。
何度見ても、本当に良く死ななかったなと自分自身に感心している。
だって、CRP値が正常値 0.0‐8.0に対して90以上にも上がっていたんですよ!
(※CRP値:C反応性蛋白、体の内部で炎症が起きているときに血液中で上昇するたんぱく質)
正常値から10倍以上上がっているのに生還したなんてちょっと自分を褒めたいレベルです。凄くないですか?
しかも、こんな状況になったのに内臓とかはすべて健康ってちょっとビックリですw
真面目に両親の遺伝子に感謝しました。
まあ、そのおかげでいろいろと調べられそうにもなったんですけれどwww
人体実験されそうな手前だったなんて、笑うしかないですね。
しかしそれは本当に大変な経験で、今から振り返れば自分の体力を過信しすぎて無理していた。自分に病気は無縁と思っているバカだった事がいけなかったと反省している。今は完全に体力は元に戻ったのだけれど、回復するまでの数年間は本当に地獄のような日々だった。
この入院経験から、私は巷に溢れている医療情報を直ぐに信じてはいけないという思いが強まった。
それだけではない、入院生活で怖かったことは全く自分にどんな治療が施されているのか分からなかった点だ。点滴とか注射の中身とか誰に聞いても同じ答えで何を注入されているのか分からない恐怖。
私の腹部の周りには、注射器で出来た後が茶色の点のようにになって複数残ってしまっている。それを見る度にあの時の恐怖を思い出すと同時に自分のバカさを反省している。朝晩2回ほど打ち込まれた薬はいったい何だったのか全く分からない。薬の確認をしたくても神経麻痺で体が動かないので、確認する事も出来なかった。記憶をめぐるとおそらく2種類のIV(点滴)と1種類の注射を同時に打ち込まれていたはずだ。
今は完全に体は元に戻っているというか、それ以上に調子が良くなっているから結果オーライなのかもしれない。(なぜか、体力も前よりある感じだし。指の動きが半端なく良くなっている。何故か分からないけれど…)
でもなんでも深く調べてみたい私は、自分なりにインターネットで自分の施された治療方法についてリサーチをしてみた。それで、分かった事は私はおそらく知らないうちに治験されていたんじゃないか?という事だ。その疑いは今かなり確信に近づいている。
こんな事が起こっていいのかと思うが、これは十分に起こりえる話だ。
それは、何故かというとオーストラリアの医療カルテ開示の方法は治験なども執り行いやすくなる側面があると言えるからだ。
オーストラリアの医療カルテ開示方法は
実際のケース Breen v Williams [1995] HCA 63; (1996) 186 CLR 71
を見ても分かる。
この訴訟は患者と医者間の契約において医療のカルテがどのように開示されるかという観点から非常に興味深いものだ。
Ms Breen はインプラントによる豊胸手術を受けたが、後にそのインプラント部分に問題が起きそれを手術で除去する事になった。彼女は、米国のインプラント会社を訴えるためにカルテの開示要求をDr Williamsに求めるがそれを拒否されてしまう。
その判決理由はこうだ、
"Certain terms are implied by fact to reflect what the parties intended e.g. doctor would advise and treat the patient with reasonable skill and care; the patient will render payment to the doctor etc., but this did not extend to the provision of medical records to the patient."(Breen v Williams [1995] HCA 63; (1996) 186 CLR 71)
ドクターはプロが持ち得る合理的スキルと配慮を持って患者にアドバイスと治療を行うはずである。その事実を持って、患者はそのドクターに対し支払いを渡すであろう。しかし、これは患者へのカルテの提供までには及んでいない。
ここでは、しっかりと患者のカルテの提供の範疇にまでは及んでいないと述べている。
このケースはかなり有名なもので法学の教授によれば、カルテ自体が医者の知的財産とみなされているとの話だった。
と、いう事はもし治療などで使う材料や薬などでの身体への拒絶反応、副反応および副作用が起きた場合にもし治療に同意してしまっている場合はこのケースを例に挙げれば、カルテを開示してもらいたいと思っても出来ないというわけだ。
でも、私のように体が全く動かなくなってしまって尚且つそれしか方法がないと言われたら同意するしかないだろう。もし、何か悪い反応が起こってもやろうと思えば隠ぺいできてしまう事態だ。
私は自分の体が完全に元に戻るまで、本当に不安だった。自分の治療方法が何か分からないんだから、もしも何か異常が起きてしまっても自分で判断する材料がないからだ。
結果、何事もなかったから良かったけれど、もしも..と考えるとゾッとする。
ちなみに、オーストラリア人は病院が嫌いで出来る限り自分で治そうとする場合が多い。ひょっとしたら、現地の大学など通っている人はこのケースについて知っているのかもしれない。私もこの訴訟については大学の講義で知ったわけだし…
建前上はオーストラリアで患者が医療カルテを閲覧する事は、知る権利とみなされ認められているし、オーストラリア保健省も閲覧させることを認めている。しかし、その一方でこのように医療カルテ開示方法において医者が閲覧させなくても良いと認めてもいる。なんという、ダブルスタンダードだろう。
今この時代においては、医療情報において関心を持つことは重要な事だろうと思う。それに加えてどのようにシステムが回っているかなど調べる事も大切な事だ。
何故って、人間は健康でなければやりたいこともできないからだ。
その健康について適当にマネージメントしようとする組織には本当に腹が立つばかりだ。なんでも、起きてからの対処で前もって予防するという観点がない。
市中感染が起こってから騒いでロックダウン、収まったら解放。何の解決策にもなっていなくてイライラする。ハッキリ言って、トップはただのパフォーマンスをしているだけに見える。
こんなままでは、ずっと今のようなウイルス問題に悩まされ続けるような気がして気が遠くなってしまう。
だから、自分の体に耳を傾けて生きていく。
社会は、誰も守ってくれないんだからと開き直るしかない。
そして、医療システムの矛盾に気づく必要もある。
医療カルテ開示方法なんてその一つに過ぎないんじゃないのかなとも思う。
何とも、難しい時代になってしまった。
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