近代のコミュニケーション障害
オーストラリアの大学ではグループで行うグループアサイメントも多い。
(※グループアサイメント:成績評価に直接繋がる大変重要な課題で、変な人に当たると本当に地獄!自分の成績にまで影響する可能性大!)
何度か、いろいろな国から来た留学生やオーストラリア人とも組んだことがあるが共通して感じたのは私の時代とは全く違うコミュニケーション方式という事だ。私は30代で彼らは20代、時代の移り変わりでこうも対話方法が違うのかと思う。
ともかく、面と向かってコミュニケーションする事が全然できない人の多いこと、彼らの特徴は何でもかんでもSNSに頼っていることだ。近代のコミュニケーション障害についてひしひしと感じたんだ。。
私はSNSという大変便利なものが出来てよかったと思っている。メールよりも即座に誰とでもコミュニケーションが取れて上手く使えば世界も広がる。自分の思った事を簡単に少し打ち込むだけで伝える事も可能だし。それは、ログとしてしっかり記録として残るから証拠にもなる。かなり効率がいい物だし、時間の短縮にもなって本当に良いと思っている。それにどちらかというとそっちの方が好きなくらいだ。
だけれど、それに完全に支配されていないと対話さえできない人の多いこと。。。
特に、ここオーストラリアも例外ではなくSNS中毒患者がかなり多いと踏んでいる。
Facebook や WhatsApp(メッセージのアプリで日本で言うLineみたいなもの)がないと全く話ができない若い人が沢山いて本当にビックリした。
初めてのグループアサイメント、時間を決めて図書館で自分達が何をクラスの人達の前でプレゼンするかの話し合いをしようという事になった。そこで、私は唖然とした。到着すると突然みんながPCを開き始める。私はスマホしか持ってなくて、普通になんか場違いな雰囲気。打ち合わせも何もしていないのにみんな常識であるかのようにFacebookを開いていることに気づいた。
「何を今日はきめるんだっけ!」と明るく話しかけてみても、
みんな目がスクリーンに固定されていて返事さえない。
私が戸惑っていると、隣に座っている子が
「Facebook やってる?」と聞いてきた。
あっ、私もページを開いた方がいいんだなと空気を読んでスマホでページを開いたら、
「あー良かった!!」とあちこちから声がする。
「Facebookがないと話し合い、できないもんね。」
そう聞こえて、私は唖然とした。
その後、WhatsAppとメッセンジャー両方をインストールするように周りから促され、私の携帯にも2つアプリが増えた。
その後の異常な光景といったらない、みんながその場に揃っているにも関わらず、Facebookのメッセンジャーを介した対話に完全に変わった!
黙々と画面に文字を打ち込む人達、何だか頭の中にチップが埋め込まれていて電波通信していてそれがWifiと通じ合っている。それによって脳信号が出力され、文字に変換されネットワークに繋がっているような感覚。生身の人間ではなくて機械人間みたいだ、、
そんな風に感じて怖かった。
この場にいる必要は全くないんじゃないか。時間の無駄なんじゃないかと思い始めたその時、オージーの女の子が
「だるいから、帰りたい。寝たい!」と言った。
私のこのモヤモヤした感覚は彼女のその言葉に救われた!
みんな、一斉にそこで解散になった。
ザっとまとめると発せられた言葉は、SNSがあるかの確認とオージーの帰りたい発言、その2つのみであった。その後は、SNSだけですべて執り行われた。
私は、心からホッとした。あんな、時間の無駄な集まりはもうしたくないと思ったからだ。
でも、ここでSNSのコミュニケーションもかなり難しいことが分かる。
いつでも好きな時に利用できる。
それだからこそ、その性質を悪用してくる人も出てくる。
このアサイメントの時も本当に最悪で、なるべく計画だてて進めようという人が一生懸命連絡を取っても無視してくる人が出てくる。私もなんとか彼らにアクセスしようといろいろ機嫌を伺ってみたりしたけれど全く返答がない。
そのアサイメントは1か月くらい前からグループ決めがされているのにそのせいで実際に取り組み始めたのは2週間前くらいからになってしまった。
締め切りの1週間前ほどになってくると止まらない大量のメッセージが昼夜問わず押し寄せてくるようになる。
正直、勘弁してよ。気分悪いなと思った。
しかも、言葉ではなく単に絵文字や写真などでメッセージを読み取ろうとさせているような人や一単語だけ送ってくるような人が結構いて、大事なメッセージが全部埋もれてしまう。私が20代だった10年前くらいには到底考えられなかったようなことだ。
私は、自分の担当パートに専念するために携帯の通知も音も切ることに決めた。
そればかり、見ていると本当に何もできなくなってしまう。
それで、自分の担当パートが終わったりした時やその部分に対する意見を聞くためのみにそこにアクセスすることにした。
だって、利用方法をお互いに相談したわけでもないしアプリケーションの使用方法は個々人に委ねられているはずだ。
自分のパートがひととうり終わったら、久しぶりにアクセスしてみるとおびただしい数のテキストが入ってきた。いちお、大事な事が書いてあるといけないので全部目を通してみる。
ほとんどが発展性のないまるで記号のような物ばかりだ。たまに、泣きを言って自分のパートを手伝ってもらおうとする人や相手の進捗状況を探るようなものは見つかったが本当にそれだけだった。それで、それに目を通すだけで何時間も時間を費やした。。。
雑音でしかない、そう思ってしまった。
それに目が非常に疲労して疲れてしまった。
それに私以外は誰も責任を持って自分のパートを終わらしていない。それも3日後が締め切りなのに。本当にガックリした。何とか、彼らの背中を押さなければいけない、そのためには自分の部分をアップロードすればそれを見て他のメンバーもやる気になるんじゃないか。そう思った。
ちょっと空気を読んでいないかもと思ったけれど自分のパートの完成部分をそこに提出した。目論見が少しは伝わったのか、おびただしく流れていくメッセージが少し収まった。正直、ホッとした。
このグループアサイメントを若い世代と行った事で、
SNSを使う人自身が人と人とのコミュニケーションを大切にする気持ちがなければ便利な道具を手にしても使いこなせないとより強く考えるようになった。これは、対面でも全く同じことが言える。
顔が見えない事をいい事に、一つ一つのコミュニケーションの重みが軽くなっていく。そんな事が本当に寂しいなあと思う事も最近多い。
便利さ、手軽さを手にしたって人間としての気持ちみたいな物が反映されなければSNSの中だってコミュニケーションは円滑じゃない。気持ちが入っていなければ何も伝わらないんじゃあないんだろうか。。。
まずは、人間力を磨かないとSNSに支配されてしまいコミュニケーション障害に陥ってしまう。これは、近代の立派な病だと思っている。
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