オーストラリアでの記憶に残る大学卒業式 - 猫の手借りて、オーストラリア大解剖。

私は、2回大学の卒業式に出席した事があります。

1回めは日本の大学、お偉いさんたちのお祝いの言葉があり淡々と進行される式でした。でも、多分全然興味がなかった話ばかりだったのだと思いますが、お祝いの言葉の事は何も覚えていません。それどころか、どんな式だったのかも記憶がありません。私は、理系の学部だったので、修士課程まで進んだのですが、バカバカしかったので修士が終わる頃、式は出席していません。

なんと言いますか、しっかりした式なのだけれど大事な部分がゴッソリ抜け落ちている様なそんな感じ…。お祝いのコメントも、型式ばった決まりきった文章で印象には残っていません。

だから特別に、オーストラリアの大学卒業式にも期待していませんでした。どちらかと言えば、お金も勿体無いし節約になるから出席するのはやめておこうとさえ思っていました。

だって、チケットを買ったりするイベントみたいな位置付けなんですよ！グッズ販売まであります。

あああーまた、金儲けか。なんでも、金かあー。さすがカネゴン☆

なんて、思ったりして…

そう思っていたのに、母がオーストラリアの卒業式見てみたいなあ。なんて言い始めました。

あーめんどくさいなあと当時の私は思いました。

↑どんだけ、冷めてるんだ！私　

そうなんです、オーストラリアの大学卒業式は一大イベント！！家族も勢揃いするのが普通の光景なんです。

それで結局、父と母を連れて出席する事になりました。

オーストラリアの卒業式は午後から始まり夜に終わります。それだけでも、ビックリなのに野外ライブのようにステージと特大モニターが設置されます。本当に豪華です。

そして、卒業証書も一人一人、ステージ上で受け取る事ができるのでその説明、式の進行の方法が大きなスクリーンに映し出されいざスタート。

学長の言葉や、お偉いさん達のコメントもとても心がこもっていて私は今でも思い出す事が出来ます。自分の苦労話や、どういう思いで教育者になったかなどの熱いコメント。上っ面ではなく世の中の矛盾などを話してくれる方もいらっしゃいました。自分の言葉で話しているので、本当に伝わってくるし刺さるものがありました。

「誰もが卒業できるわけではない、本当にあなた達は自分を大事に誇りを持って歩んで行って欲しい。」というコメントや、

「使われるのではなく、自らの意思で切り開き本当の居場所を見つけて欲しい。あなた達は、それができる人達です。」

など、沢山賞賛して自信を持たせてくれます。

出席者の子達は、私より若い子達が多いので式の最中もシャッターチャンスを狙っているのかスマホを持っていますが、そういった今時の若い子達も誰もスマホはイジらず熱心に聞いていました。それどころか、涙を流している子達もいました。それだけの、スピーチでした。

私も、今思い出すだけでホロっとしてきます。オーストラリアでの大学卒業はかなりの苦労が伴うので感極まる状況です。

そして、その素晴らしいメッセージの後にミュージシャンによる歌のプレゼントがあります。

なななんと、ここでは、私の大好きな"Shallow" という曲が流れて、涙腺が崩壊しました。この曲は、レディー・ガガとブラッドリー・クーパーが歌う映画　アリー／スター誕生の曲です。とても、メッセージ性があり、人生について歌っている素晴らしい曲なんです。落ち込んでしまった時に良くこの曲をきいています。

“浅い場所に直面しても、そこから離れた遠い場所に行く”

“Shallow(浅い)"というのは不条理な世の中、薄っぺらい人の集団など色々人によって定義があると思います、そこから挫けそうになっても這い上がってそこから遠い場所に離れていく。本当に強く生きるための人生の定義を歌っている素晴らしい楽曲なんです。

ちょっと話がずれてしまいました…。

要するに、本当に伝えたい事を一生懸命、卒業生に伝えようとする運営の心意気が素晴らしい式なんです。

そして、クライマックスになる頃には真っ暗な夜空に沢山の花火が上がります。本当に最後まで涙腺を緩ませてくれます。

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