英語勉強オタクだった私が全く喋ることができず貝になった話
海外に留学してみたい、そんな思いを長く抱いていた私は英語オタクでした。
隙間時間はいつも英語を勉強、そんな時代もありました。音楽好きも相まって洋楽ばかり聞いていた時代もあり耳の良さには自信がありました。アルクの講座で、成績優秀者に選ばれたこともあり、一般的な日本の学生よりは英語ができるんだ!と自信を持っていました。
オーストラリア留学に到着したばかりのホームステイ、特にマザーとの会話も問題なく、そのまま自信たっぷりで迎えた勝負の日、それはクリスマスパーティーです!!私のホストマザーはお年を召された方で一人暮らし、この日は息子さん達の家族も加わるのでかなり沢山の出席者になる模様。。。
続々と出席者が訪れる玄関近くでうろつく私、顔はニヤニヤしている。
ハイ、ただの変質者です。
そうこうしているうちに、一人の男が私のほうに近づいて話しかけて来た!!!!!!!!!!!!!!
(やった~↑背の高いイケメンが来た_ーーーーーーーーー!!)
(しかも、なんだかいい匂いもするwwwwwwwww)
ハイ、変態みたいですね。認めます。
「@#$%^&#$%。。~!?」
何っ。。。
何を言っているのかサッパリ分からないのです。
「ハヤッ、ドンイン」
(もしかして、日本語か!?いや、待てよ、ほかの言語か?)
(「早く 動員!?」、そんなアニメあったか。。。。?そんなのあるかいな!)
気づくと、彼は苦笑いをしながら私の前をとおりすぎていった。
遠くから会話が聞こえた。
「She's a new girl from Japan nanna said that, so she can't speak (English)」
彼女、日本から最近来たばっかの子っておばあちゃんが言ってたわ。だから、英語が喋れないみたいなの。
ハッキリと聞き取れた。大声で「I can speak English but I'm not fluent!」
喋れるよ、流暢じゃないだけでな_!
と言いたい気持ちをグッとこらえその場に立ち尽くした。
もう一人、今度は、肌が透き通るように美しく宝石のような眼をした少女が、私に笑いかけながら近づいて来た。緊張して時が止まった。。(モデルみたいだ。)なんだか、少し怖かった、自分の存在が凄くちっぽけで全てを彼女に独占されてしまうような雰囲気だった。
「How're you doing?」
どうもお元気かしら?
“声が気持ちいい”それに“なんだか美しい”、時が止まった。
それになんだ、この匂いはーーーーーー。。。
何も言えなかった。。。心の中で(「I'm good.」と静かに呟いた)
初めて、うぶな男の子が女の子の前で緊張のあまり声すら出せなくなるそんな状況を理解できた気がした。
そのパーティーで私がその当時持っていた実力をどのくらい発揮できたか、それは話すまでもないこと、美しい男女が目の前で戯れている。私とは、住む世界があまりにも違いすぎた。そして、私は貝になった。
その後、お決まりなフレーズ
「How're you doing ?」
をあの少女のようにそして時に女らしくその音を発することが出来たら、、、私は何度も思い描き呟きながら練習した。
2,3日、まるで貝のように部屋に立て籠もった。